集客を考えるにあたり、これから初めて来るお客様のことばかりではなく、リピーターのことも頭に入れないといけません。
その意味では、顧客を固定化する(リピートしてもらう)施策の重要性が増しているといえます。
そこで、今来ていただいている顧客をフォローするという考えを持ちたいものです。
具体的なフォローの効果を先に紹介しましょう。
目次
リピートの効果
まずフォローすることで、その人本人の再訪をうながすことができます。
さらに、好印象を持ってもらえば、本人のリピートだけでなく、周囲にも拡散します。
クチコミの拡散をもうながせるので、周囲の人対してもPRすることが可能です。
フォローは販促や広告宣伝の代わりにもなり得るのです。
フォローの方法と顧客をつなぎとめるための工夫
フォローには、具体的にどんなアクションがあるでしょうか。
まず何らかの形でメールアドレスを聞き出し、メルマガ配信などをするという方法があります。
住所や電話番号でもいいのですが、相手が海外に住んでいることを考えるとメールアドレスの方が利用しやすいでしょう。
アンケトに記入すると、割や特典サービスを受けられるといった相手にとってのメリットを伝えると、メールアドレスを聞き出しやすくなります。
最近では、「フェイスブック」や「ツイッター」、「ウェイボー」、「ウィーチャット」といったSNSを駆使する方法もあります。
お店のSNS情報を載せたショップカードを手渡しするのも手です。
メールアドレスを聞くことよりもハードルが下がるので、気軽に行える施策だといえます。
継続的に接点を持つには観光以外でも有用な情報を送る必要があります。友人や知人が使えるクーポンや、海外の施設で使える割引券などを提供するのもいいでしょう。
断続的な関係性をつくる方法
- 割引や特典など、ユーザーメリットのある仕組みを作り、会員になってもらう
- メールアドレスや住所を取得し、メルマガや手書きDMでフォローする
- 自社のFacebookや微博、微信などをフォローしてもらい、情報発信する
現地でも自社を使用してもらう
- 消耗品などは帰国後も定期的に購入できるように、越境ECで購入してもらえる環境を用意する
- 海外店舗がある場合は、その店舗で利用できるクーポンを提供する
「量」だけでなく、「質」も大切にしましょう
人口が減って、リピーターも少ないという観光地の問題を解決するには、2つの方法があります。
ひとつは「一生に一度行ければいい」という場所から「何度も行きたい」という場所へ変えて「リピーター」にしていくことです。
そのためには、これまでの団体客向けの画一化されたサービスだけではなく、1人ひとりもっとカスタマイズしたサービスも提供して、満足度を向上させるしかありません。
もうひとつは1人あたりの単価を上げることです。
もちろん、何もしないで単価だけを上げてしまうと「ボッタクリ」になってしまいますので、ここでもサービスの質を高めて満足度を上げることが求められます。
つまり 、観光の単価を上げることと、満足度を向上させてリピーターを増やしていくということは、表裏一体なのです。
海外では、特に1980年代以降、文化財は観光資源として利用し、その収益を保護・修理に回すという「自主運営」的な考え方が主流です。
たとえば、イギリスの文化財の入場料は、他のヨーロッパ諸国と比較して高い傾向にあることがわかります。
これはなぜかというと、イギリス政府の観光戦略が「量より質」をとりに行っているからです。
2015年の観光客数ランキングではフランスが世界断トツトップの8450万人でしたが、観光収入ランキングでは世界4位となっています。
一方、イギリスは観光客ランキングでは第8位の3440万人でしたが、観光収入は世界第5位でフランスほぼ変わりません。
参考元: 世界の外国人客数 国別ランキング
観光客数で5000万人もの開きがあるのに、なぜ観光収入で追いつくことができたのかというと、イギリスは観光客1人あたりが現地で落とす単価を上げていく戦略をとっているからです。
観光戦略というものは、観光客数という「量」も当然大事ではあるのですが、「量」ばかりにこだわっていても収入は上がりません。
観光資源の価値を上げることで、金払いの良い「上客」を狙っていくという戦い方もあります。
イギリスはそれを着実に行い、観光収入を高めているのです。
ここで注意が必要なのは、イギリスの文化財は拝観料を高くしているだけではないということです。
展示の仕方を工夫するなどさまざまな「サービス」を提供することで観光客の満足度を上げ、それによって単価の上昇を実現させています。つまり、価格には中身の違い、付加価値の違いが反映されているのです。
まとめ
リピーターを増やすためには、今よりもさらに高度な満足度を提供していかなければならないのです。観光戦略というのは観光客数という「量」はもちろん大事ですが、「量」ばかりにこだわって「質」を改善することを忘れるなら、観光の収入は上がるはずがないのです。だから、「質」を改善しながら、リピーターを集めるのは観光業の理想的な形です。
名前:Nguyen Mai Huong (グエン マイ フーン)。ベトナムのタインホア県出身。職業:岡大生文学部
123Serverでインターンシップとして働いています。小学生の時から読むことと書くことが好きで高校時代に国語専門クラスに入りました。自分に挑戦したくて日本に留学しようと決めました。
日本の大学に入学し、色々な分野の知識を学び、その中にマーケティングに興味を持つようになります。
ベトナムか日本かを問わず、世界の国々の共通点を見つけて観光ビジネスをより発展させるという目標に向かって記事を書き始めます。