外国人観光客が感じやすい不満として、特に言語対応や決済サービス、通信環境の3つが挙げられます。
そして、これら3つは、インバウンドビジネスにおけるトラブルの原因となりやすいです。
そうしたことを避けるためにも、インバウンドビジネスを行う際には、言語対応と決済サービス、通信環境の3つにおいて、トラブル発生を防ぐための対策を立てることが重要になります。
目次
言語対策
言語対応に対する不満は、訪問外国人観光客が最も抱きやすいものです。
ただ、そうだからといって、インバウンドビジネスを行う全ての店に、外国語を話せるスタッフを採用しなければいけないわけではありません。
訪問外国人観光客の言語対応には、いくつかのポイントがあります。
以下の3つのポイントを押さえておくことで、言語対応でのトラブルを予防することができるようになります。
お客さんに対していつも笑顔を忘れず
訪問外国人観光客は店員に対して「自国語で対応して欲しい」と考えていません。
むしろ、自国語で対応されると「せっかく海外に来ているのに、海外の雰囲気が味わえない」と感じる人も少なくありません。
例えば、母国語が日本語であるあなたがアメリカに旅行に行ったとき、英語ではなく、日本語で「こんにちは、いらっしゃい」と迎えられ、帰りも「ありがとうございました」と送り出されると、旅行気分が覚めてしまうのは想像できると思います。
そうではなく「ハロー」と笑顔で迎えられて、「グッドバイ」と送り出されるほうが、アメリカの雰囲気を味わうことができます。
そして、実際に外国人観光客が店員に対して不満を感じているのは言葉が通じないより「外国人が店内へ入ったときに、店員が一歩引く」という行為です。
つまり、店員が外国語を話せず、外国人に対して苦手意識を持っているのが相手に伝わってしまっているのです。
そのことが、外国人観光客に対して「外国人を嫌っているのだろうか?」「愛想がない店員だな……」という印象を与えることになります。
そのため、外国人観光客の接客のポイントは、笑顔で明るく対応することが大切です。
そして挨拶ぐらい簡単な外国語で迎え入れて、伝わりにくいところは、
ボディーランゲージなどを使って一生懸命伝えるようにすると、外国人観光客にいい印象を与えることができます。
商品説明などは事前に準備する
ただ、いくら笑顔で明るく接していても、しっかりと相手に伝えなければいけないこともあります。
例えば、商品の使い方や、免税商品の取り扱い方などは、しっかり説明して理解してもらわなければ、また他のトラブルに発展する可能性があります。
そうしたことを避けるためにも、商品の特徴や色、サイズの在庫、原材料などの詳しい説明や、免税商品に対する注意点などは、事前に何カ国語で書かれた説明書や注意書きなどを準備しておくことが大切です。
特に、英語と中国語、ドイツ語の3ヶ国語は、準備しておくようにしましょう。
また、店内における「試着室はこちら」「現在使用中」「レジはこちら」などの注意POPに関しても、数ヶ国語で表記することが大切です。
ツールを活用する
外国語をペラペラに話せるスタッフを雇うことは、最も確実な外国人旅行客の言語対応対策になります。
ただ、そうした人材を見つけることは容易ではありません。
また、既に働いている従業員が英語を覚えることも、簡単なことではありません。
そうした際には、外国語が話せなくても外国人観光客の言語に対応できるいくつかの便利なツールがあります。
それらを活用することで、外国人旅行客に不満を感じさせることなくショッピングやサービスを楽しんでもらうことができます。
ツールを活用することで、言葉を使わなくても、外国人観光客に情報を提供したり、コミュニケーションをとったりすることができます。
また、「指差し会話集」を活用することも有効です。
指差し会話集とは、色やサイズなど、よく利用される単語やフレーズが数ヶ国語で記載されているものであり、業界ごとに本が出版されています。
このような指差し会話集を店舗に常備しておけば、簡単な内容であれば指を差すだけで意思疎通ができるようになります。
その他にも、商品の使い方や特徴などであれば、動画で見せることも有効です。
さらに、訪問外国人観光客に対する言語対応に活用できるツールには、以下のようなものがあります。
・三者間通話
・スマホの翻訳アプリ
・多国語のパンフレット
決済サービス
インバウンドビジネスを行う際には、外国人旅行客の多くはクレジットカードを利用するため、クレジットカードでの決済を導入することをお勧めします。
ただその中でも、特にあなたが提供するサービスの利用が多い国で主に使われている決済方法に対応することが大切です。
外国人観光客数を増やしたいと思うなら、よく利用されているクレジットカードの決済システムを導入することで、今後インバウンドビジネスを行っていく上では欠かせません。
通信環境
インバウンドビジネスを行うのであれば、インターネット環境を整えることも必須になります。
そして、通信環境を整備するための具体的な方法には、主に3つあります。
Wi-Fi環境を整える
一つ目は、Wi-Fi環境を整えることです。
施設内に無料で使えるWi-Fiを導入することで、外国人観光客が自由にインターネットを使うことができるようになります。
ただ、ここでのポイントは「外国人でも簡単に設定できるようなサービスである」ということです。
Wi-Fiを導入する際には、外国人でも簡単に設定できるサービスを選ぶか、もしくは設定方法を多国語で説明したパンフレットなどを準備しておくことが大切です。
SIMカードを活用する
SIMカードとは、海外から持ち込んだスマホや携帯電話に差し込むだけで、観光先の海外の通信会社の回線を利用できるようになるものです。
つまり、SIMカードを活用することで、海外でも普段通り通信することができるようになります。
こうしたSIMカードは、国際空港や家電量販店などで販売されています。
Wi-Fi環境が整っていない場合には、外国人観光客に対してSIMカードの利用を勧めることで、通信環境の問題を解消することができます。
Wi-Fiルーターを活用する
Wi-Fiルーターとは、ポケットサイズのルーターであり、それを持ち運びすることで、インターネットに接続できるようになるものです。
そして、ルーターであればスマホだけでなく、タブレットやパソコンなどでも利用できる上に、複数人、複数台同時にインターネットにつなぐことができます。
こうしたWi-Fiのルーターを外国人観光客に貸し出すことも、通信環境の問題を解消する一つの方法です。
名前:Nguyen Mai Huong (グエン マイ フーン)。ベトナムのタインホア県出身。職業:岡大生文学部
123Serverでインターンシップとして働いています。小学生の時から読むことと書くことが好きで高校時代に国語専門クラスに入りました。自分に挑戦したくて日本に留学しようと決めました。
日本の大学に入学し、色々な分野の知識を学び、その中にマーケティングに興味を持つようになります。
ベトナムか日本かを問わず、世界の国々の共通点を見つけて観光ビジネスをより発展させるという目標に向かって記事を書き始めます。