MICE分野の国際競争は厳しく、海外の競合国も様々な取り組みを進めつつある中、MICEの誘致・開催の一層の推進に向けて、各国の各種取り組み・体制・環境などについて、どのような政策課題があるか?それらの課題の解決に向けていかなる取り組みが求められるか?
先進事例からMICE戦略のポイントを学びましょう。
観光からMICEに取り組み
観光から出発してMICE促進に取り組んだことが確認できます。
米国では観光収入額の変動を平準化させ、雇用や所得を拡大するために、又は観光産業の基盤を基に新たな経済成長の手段としてMICE振興に取り組んできています。
シンガポールでは深刻な失業対策として観光産業振興に取り組み域内での基盤を確立してから、経済効果拡大とコンベンション都市のビジョン実現を目指して包括的な意味での観光全体のビジネス部門としてMICE発展に取り組んできています。
タイも観光大国から国際競争力強化の一環としてMICE分野を新たな価値創造経済の有力分野と捉え、その強化に乗り出しています。
従ってマーケティング戦略ではMICEと観光をパッケージで進める方式が共通しています。
米国では観光局又はコンベンション・ビジターズ・ビューローが、コンベンションセンターと協力して都市や地域のセールスを含めMICEマーケティングを担当しています。
さらに展示会出展者や会議参加者に対してはレストランや買い物などの割引サービスを提供しているケースもあります。
コンベンションセンターは顧客対応の改善や施設経営の効率化に集中できる環境になっています。
シンガポールでは観光分野と展示会を別々の政府機関が担当していたが、今では観光庁(STB)が展示会を含めMICE全体と観光を束ねて推進しています。
タイでも観光産業は観光庁(TAT)の担当だが、博覧会を含めMICE分野全体についてはコンベンション展示会局(TCEB)が観光庁とも連携して推進するなど効率的な推進体制になっています。
明確な地域・都市の将来ビジョン
米国では80年代に失業や空洞化などの問題を抱えた一部の都市は、インディアナポリス、ニューオーリンズのように都市や地域をコンベンションビジネス、又はスポーツコンベンションで再活性化するという明確なビジョンを掲げ、MICE戦略を推進してきているケースが多いです。
シンガポールは「特色あるグローバル都市」を、タイは「ASEAN MICE ハブ」や世界につながるタイをイメージさせる「Thailand Connect」をキャッチフレーズにして、ビジョンをわかりやすく表現しています。
民間が主導する取り組み
米国によく見られる傾向として、州政府、市といった公的部門に強く依存しない風土があります。
オーランドの観光局とニューオーリンズのコンベンション・ビジターズ・ビューロー双方とも民間の組織が母体となり発展してきており、現状も民間非営利組織になっています。
観光やMICE関連の企業は自分のビジネスに必要な組織と判断して加盟しており、運営費について一部は公的負担でカバーされているが、ニューオーリンズでは全体の40%を民間負担としています。
インディアナポリスではコンベンションセンターやドーム建設費について一部民間が負担しています。
シンガポールのMICE推進については政府のイニシアチブで進められ現在も政府機関が重要な役割を果たしています。
一方、業界の国際交流活動や業界団体が世界に向けて主催する大規模セミナー・フォーラムに有力企業が積極的に参加し、協賛金を負担するなど業界の自主努力への姿勢が強いです。
県内のMICE関連事業者はトレードショーに出展することで、バイヤーとのビ ジネス機会を得られるだけではなく、普段それほど接点の多くない海外のバイヤーとコンタクトすることができ、そのニーズ把握が可能となっています。
バイヤーの招聘費用は政府が負担しており、一定程度の予算が かかっているが、県内MICE関連事業者のビジネス機会の創出 や、バイヤーのニーズ把握によるレベルアップの機会として活用されています。
参考元:
メールマガジン2016年秋号「MICE戦略をどう考えるか?」
名前:Nguyen Mai Huong (グエン マイ フーン)。ベトナムのタインホア県出身。職業:岡大生文学部
123Serverでインターンシップとして働いています。小学生の時から読むことと書くことが好きで高校時代に国語専門クラスに入りました。自分に挑戦したくて日本に留学しようと決めました。
日本の大学に入学し、色々な分野の知識を学び、その中にマーケティングに興味を持つようになります。
ベトナムか日本かを問わず、世界の国々の共通点を見つけて観光ビジネスをより発展させるという目標に向かって記事を書き始めます。